- ジェイムス・マシュー・バリ『ケンジントン公園のピーターパン』(Katokt訳)を公開しました。
まず、本文から除去してしまった Katokt さんによるあとがきを引用:
あとがき
この作品の翻訳は、まさにインターネットにピーターパンの翻訳を公開したあともらった一通のメールからはじまったのである。ピーターパンを訳しているときに、こういう作品もあるんですよというメールをFさん(本当に感謝)からいただいて、ピーターパンの翻訳と同時並行的に、協力して少しずつ訳しはじめたのがその始まり。しばらくしてお約束のように連絡が途絶えてしまったので、katoktが協力した分も含めて全て訳しなおしています。(よって本翻訳におけるすべての誤りに対し、全ての責任を負っているのはkatokt。指摘などがあればkatoukui@yahoo.co.jpへ)
作者、作品については、ピーターパンの後書きから再掲すると、ピーターパンに直接かかわるJ.M・バリ の作品は以下の3つで、本作品は最後に発表された作品となる。
1902 小さな白い鳥:バリ自身を思わせる中年の独身男を語り手とする私小説
1904 ピーターパン(戯曲、1912には小説化):ご存知の演劇、チャップリンの出演やティンカーベルの演出などいろいろなエピソードにも事欠かない
1906 ケンジントン公園のピーターパン:小さな白い鳥からピーターに関連する6つの章を抜粋
作品についてもっと詳しく知りたい方は「ピーターパン写真集」鈴木重敏、新書館なんかが、ピーターパンの演劇のエピソードもいろいろ盛り込まれていて面白いと思う。ただ、この本の説明では、ケンジントン公園のピーターパンは6つの章となっているが、実際に今回の翻訳は4章分。いったい残り2章はどこにいっちゃったんでしょう? まあ原文が手に入ったら追加することとします。
訳していてもピーターパンとのいろいろな共通点、変更点が読み取れておもしろい。興味深い変更点としては、ピーターパンが飛ぶときに本作品では強く信じれば飛べることになっているけど、ピーターパンの方では妖精の粉が必要ということになっている点などがあげられるだろうか。これは当時あまりに多くの子供が強く信じるだけで飛ぼうとして怪我をしたので、そう書き改められたということである。大変ほほえましいエピソード。
もうひとつ翻訳の強力な後押しをしてくれたものとして、Arthur Rackham の挿絵も欠かすことはできない。かなりファイルサイズも大きくはなるが、ぜひ挿絵入りバージョンで読んで欲しい。
今回は感謝を最後にもってきて、結城さん(http://www.hyuki.com/)には訳において多大なる指摘をいただきました、また青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)の富田さんも本当にありがとうございます。そしていつもながらに目を離せない山形浩生(http://www.post1.com/home/hiyori13/jindex.html)にも感謝。
これもまたオレの翻訳ではなくて、katokt さんが2000年に翻訳したものです。プロジェクト杉田玄白の正式参加テキストであり、以前は青空文庫にも登録されていたけれど、2009年頃に Not Found になってしまったようで。
せっかくの全訳がこのまま消え去ってしまうのは少々もったいないと思うので、Wayback Machine を使って 2008年10月2日のアーカイブを元に回復しました。再利用の許諾条件は満たすと思うので、問題はないと思ってます(Katokt さんと連絡が取れれば話が早いのでしょうけれど)。
ついでなので、明らかなミスタイプを修正したり、マークアップを整理したり、青空文庫形式のテキストファイルを準備させていただきました。あとまあ、手間を惜しんだ結果挿絵を抜きました。いずれなんとか。
翻訳自体には手をつけていません。Neverpedia のテキストと照らし合わせてみると、1. The Grand Tour of the Gardens と 6. Peter's Goat が欠けているみたい。そして三章と四章は順番が逆。三章の終わりがひどく唐突で、次の章へのつながりにかけると思ったら、そういうことか。
0 件のコメント:
コメントを投稿