2000/05/24

[ゲームレビュー] デジタルデビル物語 女神転生 II

旧「がらくた玩具」から再録。

  • ジャンル:RPG [3D]
  • メーカー:アトラス
  • ハード:FC
  • プレイ状況:1回クリア, 50 hours?
  • 一般的オススメ度:★★
  • オレ的お気に入り度:★★★★★

短評

 …すげえ。ここまでやってしまったエンターテイメント作品をオレは他に知りません。以下の条件をすべて満たせる人は是非プレイを。

  1. 3D-RPG はわりと得意だ。
  2. 根気に自信がある。
  3. 理不尽な全滅にめげない。
  4. 運はそんなに悪くないと思う。
  5. 攻略本(マップ)を所有している、あるいは入手可能。
  6. キリスト教徒でない。

総評

 今回は、後半あたりでネタバレが頻出するかと思われます。一応伏せておきますが、スタイルシート未対応ブラウザ、及び背景色をブラウザ側で設定してしまっている人の画面にはそのまま出てしまいます。ご注意あれ。

 「女神転生」シリーズの基礎となっているゲームです。前作は途方もない難易度(ミノタウロス倒すので精一杯…)に、なんだかよく分からないストーリーと悪魔の分類のせいでほとんどのプレイヤーに投げられてしまったのですけど、今回は背景固めがきっちり行われています。そういう意味では「女神転生」第一作と言っていいでしょう。

 出現する敵悪魔と会話し、貢ぎ、脅して仲魔にし、邪教の館で合体させ、さらに強力な仲魔を得る。いまさら説明することもないか。前作では非常に見えづらかった合体法則がわかりやすいものになっています。その一方で、精霊合体や三身合体などの特殊合体が導入されました。合体法則に関しては当時小学校5年生のオレの頭でも理解できました。

 舞台は近未来。……だったのに今では過去です。電源を入れるとオープニングが表示されます。都市があります。ミサイルと思われるものが降ってきました。爆発、そしてメッセージ。「199X年、人類の歴史は終った。そして…」。いきなりコレです。シビレます。

 んで、神を自称するパズスさんに救世主に祭り上げられた主人公は、世界を救うべく友人と二人で荒廃した東京を旅します。

 最初にプレイした頃は攻略本があったんですが、東京編終了あたりで挫折しました。んで先日、実家に帰ったときに攻略本を持っていこう思ったら親に捨てられていたことが発覚したので、苦悩しつつも自分でマップ書きながらクリアしました。クリアできましたよ。長らく心に引っかかっていたので喜びのあまりこうやってまとまりのない文章を綴っているのです。

 以前挫折した理由(と思われるもの)から解説します。FC のカードリッジ容量あたりの問題なんでしょうが、マップが全体的に狭いのに、プレイの密度を上げるためか、敵が異常に出てくるのです。5歩敵に会わなければすごい幸運、ってな具合に。

 敵味方の攻撃力が低めで、戦闘が長引きます。戦闘が長引くということは、敵の特殊攻撃を食らう可能性もかなり高いわけで、しかも、これらの特殊攻撃はほとんどが複数回命中します。よって、とにかくステータス異常に悩まされるゲームにしあがってます。たとえば、テンタラフーという変な名前の魔法があります。「PANIC(行動禁止、ターン終了時に回復する可能性あり)+ダメージ」の魔法で、個人的にはコレが「女神転生II」を象徴する要素だと思うのです。一見たいしたことがなさそうですが、命中回数が1~8となっており、下手すると敵一体がこの魔法を唱えたせいでそのターンは誰も動けずに終了、ということがありえます。実際のところ、「最大8体で現れ、高い機敏さで先手を取りつつこの魔法を使う」敵が少なくないので、なすすべなく全滅できます。

 ステータス異常は魔法・アイテムで回復ですが、魔法でいちいち回復しているとMPが持ちません。アイテムは所持数制限があるし、アイテム屋がえらく不便なところにあるのでイマイチ使いづらい。

 以上から、ゲームバランスという面では落第点をつけてよいでしょう。

 ただし。シナリオが凄いです。良し悪しとかいうレベルの問題じゃない。普通にプレイするとサタンを倒してめでたしめでたしなんですけれども、カエルになったバエルを持っていくと隠しシナリオに進むことができます。このシナリオでは、通常ではボス敵の一人であるルシファーが仲魔になり、神の下僕と化したサタンを粛清、さらに 唯一神 Y. H. V. H. と戦うことができます。キリスト教唯一神をぶった斬るという世界的なタブーに挑戦。もはや何も言うことはありません。エンディングが何だか教条的で拍子抜けですが、もうお腹一杯なのでどうでもよいでしょう。

 最後に、ルシファーの言葉を引用。

「待っていたぞ、救世主よ。これまでにどれだけの戦いを潜り抜けてきたことか…。だが、何故戦うのだ? 人類のためか? いや、神つまり唯一神に踊らされているにすぎぬ。かつて私は天使として唯一神のそばに仕えていた。人間に知恵を授けるため地上に降り立ったのだ。人間はよりすぐれた知恵を求め、唯一神ではなく私を崇拝した。唯一神は怒り、人間と私を滅ぼそうとした。私は最後まで戦ったが、ついに魔界へと落とされた。そこにいるバアルもかつてはバビロニアの恵みの神。だが、唯一神によりふたつに引き裂かれたのだ。バアルだけではない。世界中の神々が、唯一神の世界統一のため打ち倒されていった。そして悪魔として魔界に落とされたのだ…。今こそ古の神々と人間の黄金時代を再び築くときだ。私とともに神を倒してくれるか? 人の子よ…。」

 もはやゲームではなく思想です、コレは。凄すぎる。難易度を高めにしたのは正解だったかもしれません。誰もがこのセリフを見ることができるゲームであったなら、かなり問題になったんではないでしょうか。SFC の「旧約女神転生」に収録されてますが、マニアな方々の評判はあまりよくないようです。オレはやってないんでノーコメント。

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-May. 24th, 2000

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うお、FC版の新品が 34,800 円だって!

--2012.9.4

2000/05/14

[ゲームレビュー] タクティクスオウガ

  • ジャンル:SRPG
  • メーカー:クエスト
  • ハード:SFC [PS, SS]
  • プレイ状況:カオスルートクリア, 50 horus
  • 一般的オススメ度:★★★★★
  • オレ的お気に入り度:★★★★★

短評

 唯一の欠点は激しく時間を食うこと。それ以外は文句のつけようがない。

総評

 ホントはねえ、全ルートクリアしてからにしたかったんだけど。そうすべきなんだけど。時間的に苦しいのでご容赦。

 前作「伝説のオウガバトル」よりも規模が小さくなったぶん、より戦術性を追及した SRPG になってます。「伝説」の部隊同士の戦闘を1つ1つマップにしたような感じで。まあ、「ファイアーエムブレム」型と分類することも可能かな。結果、キャラクターの戦術的個性や人物的魅力を引き出すのに大きく成功しています。

 戦術的個性っていうのは「できることとできないことがある」という部分から始まるわけで、ほぼ自由なクラスチェンジが許される「タクティクスオウガ」ではあまり高くなさそうなんですけど、レベルアップ時の成長がその時点でのクラスに影響されるので、戦士系としてレベルを上げていったキャラクターを魔術師系にチェンジしてもさっぱり役に立ちません。よくできてます。

 人物的魅力は、まあプレイしてみないと分かりにくい物なんですが……んー、キャラクターの背景がしっかりしているのが大きいかな。誰もが「正義」を持っていて、それを表現すべく喋る。戦う。死ぬ。個人的にはランスロット・タルタロスとカチュア姉さんが大好きでした。あ、セリフと並んで仕草もかなり細かく表現されてますね。会話時に流れている時間を表現する「間」を作るには優れた手段ではないかと。

 んで、キャラクターの背景がしっかりしているのは、やはり世界観の構築がかなり完成されたものになっているからでしょう。民族紛争とか武力介入とか。権力欲とか民衆心理とか。正義とか名声とか。雑多な要素を詰めこんである割に、それぞれを独立して切り出すことがむずかしいほど、丁寧に結び付けられてます。

 SLG としては、やはり時間という概念の見事なゲーム化に注目すべきでしょうか。一種のターン制なんですけど、ターンが各ユニットの身軽さに応じて、ユニットごとに設定されています。単位時間あたりに回ってくるターン数でユニットの機動性を表現してあるわけです。時間の概念を導入するとどうしてもリアルタイム制になって、同時に考えなきゃいけないことがやたらと出てくるんですが、基本的にはターン制なのでそういうことはありません。まあ、動きの速いユニットは2回続けて行動、ということもあるんですが、待機することで次のターンがより短時間で回ってきたり、複雑にならない程度の人数で互いをサポートしあったり、という点でゲームバランスのカバーは施されています。

 ゲームバランスについても言及しておきますか。やや難易度は高め、かもしれません。敵ユニットのレベルが、味方ユニットでいちばんレベルが高いユニットのレベルに合わせられますので、力押しはなかなか難しいところがありますが、敵ユニットのレベルにはマップごとに上限値が設定されているため、レベルを上げまくれば力押しもできないではないです。時間はよけいにかかりますけれど。普通にプレイする分だと、難易度はそのマップでのユニット配置に依存していることが少なくないですね。たとえば、高低差の概念も持つゲームですんで、初期位置が低いところにあると非常に不利になります。とは言え、戦術次第で十分挽回できるようにできてます。職人芸、といってもいいくらいのバランスです。

 ……もっとも。オマケ要素の「死者の迷宮」で手に入る「竜語魔法」があるとバランスも何もあったもんじゃなくなりますけどね。戦闘開始直後に「チャージスペル」でMPをためて距離制限なし・対象敵全体の魔法を乱発するというおそらくは鬼畜な戦法。まあ、「死者の迷宮」は1フロア1マップを地下100階までセーブせずに突っ走ることを要求されるので、それもアリかな、とは思いますけれど。

 あと、直接攻撃に対してカウンターがかならず出るんで、弓と魔法が強すぎデス。

 最後に、参考資料として、最終的にオレが使用していたユニットを。コンセプトは非戦術的に一網打尽。

  1. デニム/テラーナイト……カオスの戦士系だとこれしかないよねえ。
  2. カノープス/バルタン……「月花地霊斬」で石化補助。
  3. ハボリム/ソードマスター……「ペトロクラウド」「神鳴明王剣」のどっちを使うか悩んでしまう。
  4. セリエ/ヴァルキリー……ホワイトナイトでもいーんだけど、槍が使いたくて。
  5. バグシー/グレムリン(拾い者)……「ディープキッス」がステキ過ぎ。すぐ死ぬので「リザレクション」準備で特攻要員。
  6. カチュア/プリンセス……「スターティアラ」「ヒーリングプラス」「チャージスペル」
  7. バイアン/ウォーロック……「メテオストライク」「スロウムーブ」「チャージスペル」
  8. プレザンス/ウォーロック……「チャージスペル」「パラダイム」「ホワイトミュート」
  9. オリビア/プリースト……「リザレクション」「ヒーリングオール」「クリアランス」
  10. システィーナ/クレリック……「ヒーリング」「ヒーリングプラス」「クリアランス」

-May. 14th, 2000

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