『ゼンダ城の虜』第12章、公開です。ぼちぼち盛り上がってまいります。
え~、なによりもまず、ルパート・ヘンツァウ登場ですね。11章公開時も似たようなことを書きましたが、読者から、作者から、そして作中人物からの愛を一身に集めたであろうキャラクター。かくいうオレもまたこのキャラを愛してやみませんということで、訳出にあたっては、かっこよく、とにかくかっこよく! という補正をかけていきたいと思います。
私に言わせれば、男たるもの、もし悪役に立ち回る必要があるのなら、スマートな悪役を目指したい。よって私は、ルパート・ヘンツァウのほうに、木で鼻をくくったようなかれの同輩たちよりも、好感を抱いた。どうせ罪なら、ア・ラ・モードに、スタイリッシュに犯したからといって、その軽重が左右されるものでもあるまい。
ということですし。
なお、Hentzau に「ヘンツァウ」という表記をあてたのは Strelsau を「ストレルサウ」としたのにあわせたもので、「ストレルサウ」は Breslau を「ブレスラウ」と表記する慣例に倣ってのものです。ほとんどの先行訳は「ヘンツォ」となっていますが、これに対して間違いであるとか主張するつもりはありませんのであしからず。
固有名詞の表記については、前回 Sapt を「ザプト」に変更しましたが、今回も Elfburg を「エルフバーグ」から「エルフブルク」に変更します。ドイツ風ということで。「風」ね。「アルフブルクでしょ」と言われればそうなのかな……という気持ちのゆれを感じますが、そこはまあ、ドイツ風といっても、この小説には Black Michael というどうしょうもない固有名詞もありますし、究極的にはこだわれない。じゃあもう英語読みでいいじゃんという気持ちもわきますが、フリッツ・ヴォン・ターレンハイムとは書きたくない、と。まあ、結論としては好みの問題なので、本当は読者に選んでもらうのがいいんじゃないか、という思いもなくはなく。文書の構造化を推し進めれば、スクリプトひとつで読者の好みを反映する機能をつけられないこともないわけですが……。
ストーリーの話に戻りましょう。第2章以来の登場となる「宿屋の娘」。この子も個人的にはけっこう好きなキャラクター。ホープのキャラ作りの巧さというものか。もっとも、第2章のときは姉妹だったはずなのにその辺りの設定をどうやら忘れてたんじゃないかと思われるのはご愛嬌。感じからすると、妹のほうっぽいですけど。
それから、最後のほうにほぼ名前だけ登場するベルネンシュタイン。『ゼンダ城の虜』では以後出番なし(だったはず)ですが、続編『ヘンツァウ伯ルパート』ではレギュラーメンバーに昇格します。
次の13章は、ラッセンディル対ルパートの会話の応酬がみどころ。今月中にはご高覧いただけるんじゃないかと予定しています。
頑張ってください!楽しみにしています!!
返信削除とりあえずゼンダ攻略作戦でミカエル?ミヒャエル?の配下6人の残りの・・まで読みました!
ありがとうございます。月1,2章くらいのペースで続けていけたなら……という感じでゆるゆると進めていきますので、気長にお付き合いください。
返信削除