2012/05/14

[絵] 石田徹也という救世士。

天神イムズ8F三菱地所アルティアムで開催中の石田徹也展を見に奥さんとお出かけする。

誰かに石田徹也が好きだ、ということを告げるのは、多少度胸がいる。もし相手が共感してくれるなら、かえってオレはその人のことを警戒するだろう。共感してもらえなければ、警戒されるのは自分だ。そして相手が何も知らなくて、「へえ~、どんな絵を書いた人?」と問われれば、オレは確実に返答に窮する。

ストレス社会に生きる現代人の肖像、という最大公約数の評価は、なんだかとてももどかしい。オレはこの人の絵を、たぶんもっとエゴイスティックに見ている。

石田徹也の画中の男は、いつも何かから必死に逃げ惑い、あるいは、すでに捕らわれている。冷たい筆致で描かれた世界は、しかし不安に満ちている。

オレはその不安にひどく共感する。共感せずに済むくらいに心強くあれば理想的だと思いながら、でもその不安は確かに自分の中にもあることを認めざるを得ない。そして他にも共感する人々がいるという事実に、なんだかとても救われるものを感じてしまう。

芥川龍之介は「ぼんやりした不安」を自殺の動機に挙げた。「ぼんやりした不安」について芥川は『或る阿呆の一生』『或旧友へ送る手記』『遺書』など言葉を重ねて一生懸命に説明するわけだけど、でもしかし、率直に言ってよくわからない。でも、石田徹也はそれをイメージ化してのけた。

イメージを与えられた不安は誰かと共有することが可能になる。誰かと共有するために不安のイメージを固定する。それこそが、石田徹也の絵が持つ力じゃないだろうか。と言いつつ、オレは結局、石田徹也が好きだと軽やかに言ってしまう人を、きっと警戒してしまうだろうけれど……。

5/27までは再入場可能らしいので、もう1回くらい見にいけたらいいな。入場料400円というのは破格だと思いますので、天神にアクセスできる方はこの機会に、ぜひ。

【参考リンク】
石田徹也展 / 三菱地所アルティアム(イムズ8F)
会期は5/27まで。入場料400円、前売300円。
石田徹也公式ホームページ
■ウィキペディア / 石田徹也
若干オレが書いた部分があります。でもいつの間にか英語版の方が詳しい……。『無題2001』はその後もう一回オークションに出品されて3倍近い値段がついたんだって。
■『石田徹也全作品集
高いけど、オススメ。そういえば、今回の展示会のおかげで、この本の言う某癒し系女性タレントがどうやら井川遥らしいことを知りました。


2012/05/08

[ER] 翻訳文書移転。

翻訳関係の移転をとりあえず完了。インデックスは思い切って方針を変えてみました。つか、ほんと10年前とはウェブの表現力がぜんぜん違うものだねえ。当時の javascript は class 属性の値を書き換えるとかはできなかったような気がするんだけど。つか、エレメントをオブジェクトとして取得するなんていうやりくち、あったっけ? あまり技術的にはついていけてませんが、とりあえず javascript で作者情報をちょっと動的に。縦長でどこに何があるのか分かりづらい構成が改善できていれば、と思うけど、理想はもうちょっとごにょごにょ。勉強が必要ですね。

やりのこしメモ。

  • 悪魔の辞典
    • インデックスのマークアップがぐちゃぐちゃ!
    • 各ファイルのヘッダにある link 要素のファイル名が正しくなくなってる。
    • 固有名詞からウィキペディアにリンクが出せるとよさそう。スタイルを下線(破線)にするとかして他のリンクと区別するようにはしないといけない。
  • インデックス
    • 表示中の作者名のスタイルを変える。
    • :hover リンクのスタイルは変えてあげるほうがいいか?
    • たぶんファイルサイズがあってない。
    • このブログへのリンクはあったほうがいいかもしれない。
  • 作らなきゃいけない、または、復帰させないといけないページ(たぶん)
    • アクセス解析に関するお知らせ。
    • ライセンスに関するお知らせ。
    • 各翻訳の覚書。
    • 文字コードとかファイル形式とかの補足説明とか。できれば。
    • 趣旨演説とか。気が向けば。
  • 各ファイルの本文の最初に外部 javascript の関数をひとつを埋めてあるのでこんな要素を共有化させてみたい。
    • スタイルを変える機能。縦書きとか。黒字に白文字とか。
    • .txt (zip) へのリンク。
    • このブログへのリンクはあったほうがいいかもしれない。

2012/05/04

[翻訳] 「多忙なブローカーの恋愛事情」

オー・ヘンリー「多忙なブローカーの恋愛事情」を公開。サイト移転の完了に先行して BBIQ ドメインにだけアップしてみました。小品ですので10分かからずに読めるんじゃないかと思います。

「意外な結末」を持ち味とするオー・ヘンリーですが、でもオー・ヘンリーの本質的なよさって、本当は市井の人々に対する暖かいまなざしにあると思うのですよね。読んでいると、ああ、自分もこういう人たちでありたいなちょっと思ってみたりもするのです。

で、問題は、テキスト版を作るすべがなくなっているということで……。課題。やれやれ、やりたいことが多すぎてなんだか一向に進んでる気がしない。

追記

12/7/28 URL を修正しました。

12/9/18 さらに URL を修正しました。これについては後日あらためて……。

2012/05/02

WZR-HP-G302H その後

前回、結局修理センター行きとなった WZR-HP-G302H ですが、世の中はゴールデンウィークのはずなのに、はやくも戻ってきました。

修理報告書を見ると基盤故障だそうで、たぶん新品交換っぽい感じ。まあなんにせよ一週間も待たずにもどってきたのはありがたい。あんまり時間が空くと配線の仕方を忘れてしまうので。

それにしてもこのルータ、値段の割に多機能でいろいろとやれることがありそうなのだけど、何せ無線接続するようなデバイスを持ってないし、テレビはネットワーク非対応だし、プリンタはめったに使わないし、ネットワークディスク化するのもそんなに魅力を感じないとなると、まさしく宝の持ち腐れという気もしなくはない。