2001/05/10

景気よく更新したのもたぶんここまで。

旧「ぼやき部屋」から再録

「火を起こす」は新作。あとはテキスト版の追加。

で、「火を起こす」――"To Build a Fire" のことなんですが。

迷いました。「焚火」のままにするかどうか。でもやっぱり、過酷な環境で生き延びようとする「男」が必死に火を起こそうとするところを描いたこの小説の大切なところは、「火を起こすこと」じゃなくて、「火を起こすこと」だと思うのですよ。事象ではなく行動を中心として見るべきだ、と。そういうわけで、あちこちに題名がでてくるこの小説を大幅に改題するのは心苦しいのですが、勝手ながら「火を起こす」とさせていただきました。「焚火する」じゃあのどかすぎるし。

「モーム百選」に出てくるジャック・ロンドンの「焚火」、村上春樹「神の子どもたちはみな踊る」に出てくるらしいジャック・ロンドンの「焚火」はこれのことです。他からも引かれているんじゃないかな。一応、ここにある「火を起こす」=「焚火」だというのは念頭に置いといていただけるとこれ幸い也。

話は変わるけど、村上春樹はなぜオレが好きな小説を好みますか(100%言いがかり)。むう。まあ何かの縁だからってことで「神の子はみな踊る」は読んでみよう。「風の歌を聴け」「ノルウェーの森」「ねじまき鳥クロニクル」と読んで、惜しいな的評価をしてるひとなんだけど。

そうそう訳自体については、一ヶ所、まったく意味がわからないところがありました。"cross a wide flat of nigger-heads" というところ。コメントアウトしてありますのでどこに出てくるのかはソースで確認を。なんらかの地形の暗喩であろうと思われますが、オレの想像力の範疇外です。それから、雪とか気候、寒さに対する生理的反応の描写も適切でないと思う。なにぶん、雪なんぞめったに降らないところに生まれ育ったもんで、そういうの、知識としてしか知らないわけで。

原文で読みたい方は Litrix Reading Room の The North を探してみるとよろしいかと。

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