1998/10/05

[ゲームレビュー] 女神異聞録ペルソナ

旧「がらくた玩具」から再録。

  • ジャンル:RPG
  • メーカー:アトラス
  • ハード:PS [Windows95]
  • プレイ状況:「セベク編」「雪の女王編: タナトスルート」クリア / プレイ時間 99:59+
  • 一般的オススメ度:★★
  • オレ的お気に入り度:★★★★

短評

以下の条件に三つ以上適合する人にのみ勧めます。
  1. 忍耐力に自信がある
  2. 時間が有り余っていて、徹夜が苦痛でない
  3. 女神転生が好き
  4. マッパー君(後述)でない
  5. スタンドが好き

なんか、オレ自身が適合しないねえ。

総評

 難しい、というか厄介な RPG。ふだん懇切丁寧なゲームばかりやっている人にとってクリアは不可能と思われる。原因は、極端なまでのセーブポイントの少なさ。しかも戦闘にかかる時間が長い敵の出現率がやや高い、その上移動手段が徒歩しかないカスゲーと言われても仕方のない要素が満載。

 そして、これは女神転生シリーズに共通して言えることだけど、操作性が悪い。通常は3D画面なんだけど、クォータービューモードに入ると、どのカーソルがどの方向に対応しているのかさっぱりわからん。要は慣れの問題とは言え、最初はかなりのストレスを感じました。

 苦言はこの辺で止めて、ゲーム自体を軽く紹介しておくと、女神転生であって女神転生でないゲーム、だね。「異聞録」だし。このシリーズは敵を交渉によって仲間(仲魔と呼ぶ)にして共に戦ってもらったり、また別の仲魔と合体させてさらに強力な仲魔を作りつつ進めて行くというゲームなのだけど、ペルソナでは仲魔が存在しない。悪魔と交渉してスペルカードを入手し、スペルカードから「ペルソナ」を作り出す。で、主人公たちにペルソナを降ろし、発動する。ペルソナといっても何がなんだか分からないだろうからもっと分かりやすく言うと、要するに「ジョジョの奇妙な冒険」のスタンドと同じようなものだと思っていいかな。ちなみにこのゲームでのペルソナは「人の精神が形を取って表れたもの」なのだが、それに神や悪魔を割り当てたのは、やはり女神転生のセンスです。

補足:ペルソナ persona とは「仮面」という意味で、ユングの心理学用語でもある。「個人」という意味の単語、person の語源。

 シナリオは、やはり女神転生なのだから、かなりヘビーな仕上がり。舞台範囲が従来より狭いとはいえ、そのぶん深いストーリーです。

 仲魔が存在しないから主人公たちが"生きた"女神転生であり、その辺りはすごく好き。悪魔の説得にしてもそう。従来は悪魔側が話の主導権を持っているのだけど、ペルソナでは基本的に話を切り出すのはこちら。しかもこれが変なコマンドが多い。

    例:なんじょうくん(金持ちのボンボンなエリート様。高校生だけど)
  1. 演説する
  2. 一喝する
  3. 物でつる
  4. 皮肉を言う

 なんじゃこりゃ。いちばん無難そうな「物でつる」を選ぶと「俺様のサイン入りブロマイドをやろう!」「土地か? 株か? 好きなものを言ってみろ」。おいおい.....。挙げ句の果てに「表と裏が逆の10円玉をやろう!」。"つる"気があるのかそれはッ。余談。「表と裏が逆の...」はかなり昔のドラえもんに出てくる話ですね。

 さて、シリーズの売りである悪魔合体のお話。「真II」「if...」「デビルサマナー」をちゃんとプレイしていないオレにとって初めての「継承」や「遺伝」がある悪魔合体だったので結構楽しめました。でも攻略本がないと無理だね、こりゃ。ペルソナが成長するってのもポイントが高い。潜在能力を使えばいくらでもランク(レベル)を上げられるので卑怯なほど強いペルソナも可能。ラストダンジョンの敵すべてを1ターンで片づけてくれるFOOLナルカミとか。あ、そうそう、ペルソナがこれまでの悪魔種族分類(妖精とか聖獣とか)じゃなくてタロットカードで分類しているのもナイス。「伝説のオウガバトル」以降、すっかりタロット好きになってるから。

 そろそろまとめるか。結論としては移動魔法(トラエスト、トラポート)が欲しかったセーブポイントを適宜出して欲しかった。特にデヴァ・ユガで。ここって3つのダンジョンを一気に攻略するはめになるんですけど、セーブポイントなしだとマッパー君には無茶苦茶辛いです。ぼやきにもあるけど、10数時間かかったぞ。ストーリーはかなりいいので是非遊んで欲しいゲームだけど、ね。

補足:「マッパー君」とは、オートマップをすべて埋めるために行き止まりと分かっている道でも壁にぶつかるまで歩いていかずにおれない人たち。およそ不毛。

-Oct. 5th, 1998 > Mar. 12th, 2000

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このセクションは再録時に追加しました。

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